【2024】ホームページ制作の相場を徹底解説!ベトナムローカル系や日系など、HP制作会社の選定基準や注意点も

VWC代表の高林です。ベトナムの飲食店や製造業など、様々な業界の企業様のマーケティング支援をさせていただくなかで「ホームページを作成(リニューアル)したいが、おすすめの業者を紹介してほしい」といった相談を多く受けることがありました。

「価格の安いローカル企業にお願いしても大丈夫か」「ワードプレスだったら、自分だけでもできそうか」など、さまざまなご質問をいただきました。

そこで、今回はベトナムでホームページを作成しようと考えている方に向けて、ホームページ制作の相場感や制作スケジュールとステップ、業者の選定基準や、依頼前に抑えておくべきポイントを解説します。今回、弊社でも新たにホームページを作成しましたので、実際にどのくらいのコストや時間がかかったか、実体験を含めてお伝えします。

目次

企業におけるHP(ホームページ)の役割とは

ベトナム進出企業様から「そもそもホームページは持っていた方がいいのか」という相談を受けることがありますが、まずは企業にとってのHP(ホームページ)を持つ意味について、私の見解をお伝えします。

BtoBビジネスの場合は、ほとんどのケースでホームページが存在

製造業や内装設計など、BtoBビジネスの場合、ほとんどの企業がホームページを持っています。HPは取引先の企業担当者や、会社に応募する求職者、利用ユーザーなどが企業の情報を得るための重要な場所で、会社の信頼性を高める役割を果たします。

中小企業2,000社以上を対象とした令和2年の通信利用動向調査によると、産業分類別のインターネットのホームページ開設率は全体で91.8%、各業種での開設率は最低でも87%に達していました。

特に金額の大きい取引が行われるBtoBビジネスにおいて、自分が仕事を依頼する立場で考えた場合に、例えば相手企業のホームページの写真が非常に古かったり、最新情報が2年前のまま更新が止まっていたり、スマホのページが崩れていたり、リンクエラーが頻繁にあるのを見たときに、「果たしてこの会社と取引しても大丈夫か」と心配になることがあるかと思います。

また、ホームページには、

  • 制限なく様々な情報を多く掲載できる
  • 24時間365日稼働してくれる
  • どこにいても、全世界に情報を届けられる

といった利点もあります。BtoBビジネスをする企業の場合、新規の問い合わせのほとんどがホームページから発生する場合が多く、信頼性を高めるだけでなく、新規獲得をするといった観点でもやはりホームページを持っていた方が無難と言えるでしょう。

実店舗を持つBtoCビジネスでは、Facebookページで代用することも

一方、飲食店やマッサージ店のように実店舗を持つBtoCビジネスの場合、ホームページの代わりとしてFacebookページを利用することもあります。Facebookは無料で開設ができ、更新作業も比較的簡単、最近は投稿した文章も自動翻訳されるため、ホームページを作るよりも制作コストを圧倒的に抑えられるといったメリットがあります。

BtoC領域でも美容室や病院など、来店のために予約システムを必要とする企業では、予約機能を求めてホームページ制作にこだわることもありますが、複雑な予約でなければ、FacebookやInstagramなどSNSに備わっている予約機能を代用するだけでも事足りるかもしれません。

SNSだけでは信頼性に欠けるのか

最近はYouTubeやInstagramなど多くのSNSが存在するので、「わざわざホームページを作らなくてもよいのでは?」という疑問を持たれることもあるかと思います。

しかし、SNSは更新が簡単な一方、娯楽的な要素もまだ強く、企業の信頼性を高める媒体としてはあまり向いていないと言われます。

たとえばこちらから仕事を依頼するときに、飲み会の場で初めて担当者にお会いしたり、知り合いから業者を紹介された場合でも、実際に取引を開始するときには、その人のプロフィールや企業ホームページまで覗きにいくことが多いかと思います。ホームページは、会社やその人のバックグランドを確認する目的、つまり裏付けのような意味合いで利用されることが多いのです。

SNSが劣っているわけではなく、あくまでSNSは認知のきっかけを作るためのツール、ホームページは最終的な受け皿のような役割を果たします。両者は攻め(SNS)と守り(ホームページ)の関係に近く、両方のツールを掛け算で使うことが重要です。

企業のSNSで普段の情報をキャッチしてもらいつつ、必要なタイミングでホームページを見に来てもらうといった回遊施策が打てていれば、企業のマーケティング施策としてはかなり成功に近いと言えるでしょう。

ホームページ制作の原価とは?ホームページの相場が他業界と比べて分かりづらい理由

ホームページ作成の相場が他業界と比べてわかりづらいと言われる背景には、エンジニアの給料相場の上昇と、昨今の技術革新によるウェブ開発の低価格化が混在している状況にあるからだと考えられます。

エンジニアの給料相場は、常に上昇

ホームページ制作にかかる原価はほとんどが人件費(と一部のサーバー代)ですが、ネット業界の相場を知るためには1人月の考え方を理解することが重要です。1人月は、平均的な能力を持つ社員1人が1ヶ月かけて行う作業量を指しています。週休2日、1日8時間労働の基準で計算されることが多いですが、目安として1ヶ月あたり20日×8時間=160時間の作業量となります。例えば、1人のシステムエンジニアが3ヶ月かけて制作するプロジェクトは「3人月」として計算されます。

この1人月の相場は、システムエンジニアや制作ディレクターなどの業種や個々人のスキルによって大きく異なりますが、たとえば東京都心でのフリーランスのシステムエンジニアは、1人月40万円〜60万円程度、WEB系では60万円〜80万円、スマホアプリ開発では100万円程度とされています(2020年時点)。ベトナムでも、phpエンジニアがリーダーレベルでグロス月給$3,500、Rubyなどの少数派言語のエンジニアになると、月給$5,000を超えることもあるようです。

これらの人件費を東南アジアの人材で安く抑えて基幹システムやウェブサイトを制作しているのが、オフショア開発のビジネスモデルです。ベトナムでも数十年前から存在するオフショア開発ですが、最近は円安の影響やベトナム人エンジニアの給料上昇により、難しい局面を迎えていると耳にします。

一方、IT技術の発達でウェブ開発のハードルは下がってきている

かつてネットバブル時代にホリエモンが数千万円でウェブサイトを制作していた頃と比べ、今では初心者でも簡単にウェブサイトが作れるWordPressなどのCRMツールが登場したことから、時代が移り変わるなかでウェブ制作の低価格化が進みました。さらに最近ではAI技術も台頭したことから、さまざまな場所で価格変動が起き、IT業界の相場がますますわかりづらくなっている現状があります。

ホームページ制作の費用・価格を左右する10項目

ホームページの業界相場をさらに紐解くため、本章ではホームページ制作を依頼する際に価格が左右される決定要因について解説します。

①制作会社の規模

まず、金額が大きく異なる要因として、大手の制作会社に依頼するか、小規模な会社や個人事業主などのフリーランスに依頼するかがあります。大手制作会社は品質が高い反面、価格も高めとなります。一方、小規模な会社やフリーランスは比較的低価格でサービスを提供することが多いですが、品質が不安定であったり、プロジェクトの進行がスムーズに行かなかったりするリスクもはらんでいます。

②テンプレートデザインか、オーダーメイドデザインか

WordPress構築でテンプレートベースのデザインを使用する場合は、比較的安価にホームページを制作できます。テンプレートを使って作成する場合、日本の制作会社に依頼するときの相場は約300,000〜500,000円、個人事業主・フリーランスに依頼する場合は約150,000〜200,000円ほどとなります(2024年時点VWC調べ)。

比較的安価であることが魅力のテンプレートベースのデザインですが、制作過程で「デザインをもう少し工夫したい」「動画を埋め込めるようにしたい」など、新たなリクエストをしたくなることも多く、追加のカスタムデザインや複雑なグラフィックが必要な場合は、さらにコストが増加します。テンプレートデザインには無料で使用できるものと、一回きりの購入で利用できる有料テンプレート(買い切りで1〜3万円程度)があります。有料の場合はより多くの機能が備わっており、デザインも優れていることが多いです。

例として、以下のような人気のWordPressテンプレートテーマがあります。

  • Cocoon(無料テーマ): レスポンシブ対応で機能が充実しており、デザインがシンプルで、一通りの機能が備わっています。製造業を含む多くの企業が利用しており、自社の業種に合った事例が見つかれば、Cocoonテンプレートでの制作を検討しても良いでしょう。
  • SWELL(有料テーマ): Web制作界で人気のテンプレートで、17,000円で購入でき、カスタムも可能で高機能です。

③高度な機能実装のため、特別なカスタマイズが必要かどうか

一般的な問い合わせフォームなど、基本的な機能のみなら、テンプレートで十分ですが、たとえば決済システムが必要なEコマースや会員登録機能、その他インタラクティブな要素が加わると価格が大きく上がります。特別な機能の場合、WordPressでは制作が難しい場合があり、その場合はテンプレートデザインで作成することは難しくなり、より高価なオリジナルデザインでの制作が必要となります。

④都心か地方か、ベトナムローカルか日系の制作会社か

人件費の安い地域の会社や国にホームページ作成を依頼すれば、コストは下がります。日本でも都心にある制作会社では人件費も高いので、全体的に制作費用も高くなる傾向にありますが、地方の会社やフリーランスに依頼する場合などは、都心と比べて10〜20%低くなる傾向にあります。

またベトナムにおいても、人件費の高い高度なエンジニアや日本人責任者が関わるプロジェクトなのか、もしくはベトナム語オンリーで現場レベルで完結するかなどによって、価格が大きく変わります。

⑤ページ枚数

コーポレートサイトを制作する際は、トップページ以外にも、採用ページ、会社紹介ページ、事業紹介ページ、ブログページ、問い合わせページなど、1ページだけでなく複数のページを制作することが一般的です。デザインがほとんど必要ないページについては、コストは低いですが、基本的にはデザインとコーディングの作業は、ページ枚数分必要となります。

トップページ部分のデザイン&コーディングが仮に100,000円だとすると、その他の事業紹介ページは50,000円、プライバシーポリシーページが20,000円といった形で、ページ枚数が増えるにつれてコストも上がります。また、1つの商品サービスのみを紹介するような場合には、ホームページではなく、1ページで完結するランディングページ(LP)を制作することで、コストを抑えることも可能です。

⑥言語数

ベトナムでウェブサイトを作成する際は、ほとんどの企業がベトナム人向け、日本人向け、欧米人向けと様々な国籍の人をターゲットにしています。そのため、多言語を前提としたウェブサイト制作をすることとなります。複数言語での実装は、翻訳作業とページ枚数を増やすが必要であり、価格を押し上げる要因となります。

よく「ページを複製するだけだから、言語を増やすだけなら手間はかからないのでは?」といった質問をもらうことが多いのですが、日本語の内容を英語に訳すと一般的に文字量が1.2倍〜1.5倍になることが多いため、英訳されると単にページを複製して言語を入れ替えるだけでなく、改行位置を調整するなど翻訳以外の手間や工数も発生します。そうしたことから、多言語の実装によるコストは、1言語で制作する場合と比べて、1言語につき約20%増える相場感となっています。

⑦制作期間の長さ(通常は2〜3ヶ月)

人月単位の人件費の話で出たように、プロジェクトが大規模で制作期間が4〜6ヶ月など長く続く場合、その分人件費が発生するため、大がかりなプロジェクトほど、一般的に金額が上がります。

今回弊社では、ページ枚数8ページ(2言語)のウェブサイトを制作しましたが、およそ2ヶ月半で完成させることができました。一般的なウェブサイトの場合、第1フェーズの企画・ワイヤー制作に2〜3週間、第2フェーズのデザイン制作に3〜4週間、第3フェーズのコーディングに3週間、第4フェーズの別言語の制作に1週間、合計で2〜3ヶ月のスケジュール感となります。

プロジェクトの期間が長ければ長いほど、依頼主の負担も増えるため、お互いのコストを抑えるためにもなるべく短期間で効率的に制作することが望ましいでしょう。

ただし、急ピッチで短期間の納品を求める場合は、通常の相場よりも追加料金が発生します。たとえば、通常2ヶ月で完成させるところを1ヶ月半で仕上げるような要望を出す場合、さらに20%〜30%のコストがかかります。切羽詰まった状態で依頼をしないためにも、早め早めにに計画を立てて無理のないスケジュールで制作することが重要です。

⑧保守メンテナンス・長期サポート有無

ウェブサイトは作成したら終わりではなく、その後もサイトのSEO対策としてブログを定期的に更新したり、顧客情報を集めて活用するなど、マーケティング活動に利用されます。ホームページを制作した後、例えばWordPressやプラグインのアップデートが必要になることがあり、そうした技術的な対応が随所で必要になるケースがあります。そのため、制作会社と長期的な「メンテナンスサポート」という名目の契約を結ぶことが多いです。

一般的には、保守運用費用として月額10,000円〜20,000円がかかります。一方、特別なバグや突発的な対応がない限りは稼働する必要がないことを考えると、制作会社からしてみればこの「保守メンテナンス費用」ほど嬉しい定期収入はないと言えるでしょう。そのため、ホームページ制作会社に長期の保守・運用契約を結ぶ際には、契約期間中にどのような動きをしてくれるのか事前に確認しておくと安心です。

もし社内にWordPressやウェブ技術に詳しいエンジニアがいれば、保守メンテナンス費用を削減することも可能ですが、当然トラブルが起きたときのサポートがないため、そのような場合も自分たちで対応しなければいけません。社内にウェブ担当がおらず不安な場合は、保険料と思って潔くメンテナンス・サポートも込みの依頼をした方が良いかもしれません。

⑨依頼主と制作会社の作業比率

ホームページは制作会社に全てを丸投げして作成することはできません。依頼する企業側もホームページの完成のために協力して作業を行う必要がありますが、ある部分の作業を「制作会社が担うか、自分たちで行うか」によって、コストは大きく変わります。

例えば、依頼主がホームページの本文やキャッチコピー、画像素材を全て自分たちで用意できるという場合は、制作会社が考える部分が少ないため、見積もりの金額は安くなる可能性があります。できるだけ制作に関わる業務を自社で行うことで、制作会社に支払うコストを抑えることができます。

一方、制作会社にお願いしてデザイン案の候補を複数考えてもらったり、ページ中の文言やキャッチコピーも全て制作会社に丸投げする場合は、制作会社のコストも増えます。

ちなみに、正確な指示出しを行うために、デザイナーやコーダーとの橋渡し役として、制作会社がディレクターを置くことがあります。ディレクターが間に入り、依頼主の要望をディレクターが噛み砕くことで、依頼内容がデザイナーやコーダーに伝わりやすくなったりします。ディレクターが存在する場合は、その分人件費も発生するため、制作コストは上がりますが、ホームページ制作の依頼が初めての方は、進行管理をスムーズに行ってくれるディレクターに委ねた方が、結果的にトータルのコスト削減につながることもあるでしょう。

⑩企画・戦略設計のクオリティ

⑨の作業比率の話と重複しますが、ホームページ制作の企画から、完成後の集客戦略まで、どの程度詳細に考えてくれるかによって、費用も変わります。

ホームページ制作の主なステップは以下の通りとなります。

  1. 企画・戦略立案
  2. ページ設計・ワイヤーフレーム作成
  3. デザイン制作
  4. 実装・コーディング
  5. リリース

企画・戦略立案フェーズにおいて、たとえばサーバーをどこの国で設置するかや、将来的にSEOを強くするためのカテゴリー設計など、制作会社やマーケティング会社が多くの知見を持っている場合が多く、企画段階から入ってもらうことで、中長期で考えて有効なアドバイスをもらえる可能性が高まります。

ウェブサイトはただ制作して終わりではなく、運用を続けることにより、さらなる認知拡大や取引先との信頼関係を構築するツールとして役立ちます。もし、ホームページ制作とマーケティングをセットでお願いができる会社であれば、将来的な売上を回収できることを見越して、企画や戦略立案の段階からがっつり入ってもらう方が、最終的なゴールに早く辿り着ける確率は上がるでしょう。

参考までに、今回私が依頼して制作したホームページは、以下の条件で制作をしました。

① 制作会社の規模
→ 個人事業主

② テンプレートか、オーダーメイドか
→ オーダーメイド(Wordpress)

③ 高度なカスタマイズ
→ なし

④ ベトナムローカルの会社か、日系の制作会社か
→ 日系

⑤ ページ枚数・⑥ 複数言語
→ 8ページ・2言語(ブログの個別ページを除く)

⑦ 制作期間の長さ(通常2〜3ヶ月)
→ 2ヶ月

⑧ メンテナンスおよびサポートの有無
→ 自社で対応

⑨ 依頼主と制作会社の作業の分担・⑩ 企画や戦略設計のクオリティ
→ 参考となるウェブサイト、文章や写真素材、英語翻訳文章は弊社から支給

以上の条件で、このたび50万円(税抜)≒83,000,000vnd で制作しました。

また、以下は日本における一般的なホームページ制作の相場早見表となります。ベトナムローカル企業ではこちらの金額が半額以下になるケースも多々存在します。

費用相場 対応内容 注意点
50万円以下 ・企画や設計は依頼主が行い、デザインとコーディング作業のみを依頼
・主にテンプレートを使用
・自分でディレクションする必要がある

・機能によっては自由にカスタマイズができなかったりする

50〜100万円 ・必要最低限のデザイン
・依頼主の注文内容に沿って設計・制作
・設計と品質担保ができる体制が別途必要
100〜200万円 ・制作工程を任せられるイメージ ・課題や目的が明確になっていることが必要
200万円以上 ・企画から制作工程まで一貫して依頼が可能 ・高いからといって丸投げは危険

安い見積もりに潜む罠、ベトナムでは見えないコストにも注意

ここまで、ホームページの制作コストについて詳しくご紹介しました。依頼主として金額的なコストを抑えたいのは当然ですが、よく見落とされがちな「依頼主側の作業量」と「制作会社とのコミュニケーションコスト」といった、金額以外のコストにも注意が必要となります。

依頼主が行う作業を定義する

前章で触れたように、ホームページ制作は依頼主と制作会社の共同作業です。良いホームページを完成させるために、依頼主も積極的に関わる必要がありますが、正直なところ依頼する側の負担はなるべく減らしたいところでもあります。

「自分たちにかかる人件費」という観点も考慮しながら、どこまでの作業は自分たちで行い、どの部分からをお願いするか、あらかじめ依頼内容を決めてことが重要です。

専門的な部分は制作会社にお願いし、逆に単純作業は自分たちのスタッフで対応するなど、トータルでコストパフォーマンスが良くなる方法を模索し、適切な費用計算を行うことが望ましいです。依頼主側にも作業コストが発生することを念頭に、納得のいく見積もり価格で制作を依頼するのが良いでしょう。

また、事前に定めた業務以外にも、ページを確認する手間や、修正の指示出しをする作業も追加で発生していきます。そうしたことも踏まえながら、なるべく修正作業や追加依頼が少なくて済むような制作会社を選べると理想的です。

ベトナムローカル企業への依頼時には、膨大なコミュニケーションコストに注意

デザインやコーディングを行う会社が日本人ではない場合、母国語以外の言語でコミュニケーションが行われるため、その分サイト制作の難易度が上がります。日本人が思う良いデザインと、ベトナム人が思う良いデザインはしばしば異なったりしますが、お互いのイメージをすり合わせるために頻繁にミーティングを行ったり、より丁寧な説明をする必要があったりします。その結果、想定以上に意思疎通に時間がかかってしまい、依頼主の時間がどんどん奪われる結果にもなりかねません。

事例として、とある製造業の会社がベトナムのローカルの会社に格安で約10万円ほどの値段でホームページ制作を依頼したのですが、意図したデザイン案ができるまでかなり時間がかかり、完成まで1年を要したことがあったようです。さらにはサイト公開後もページのローディングが非常に重かったり、リンク切れが頻発したため、結局、ウェブサイトを作り直すことになったそうです。このように、安いという理由だけで業者に決めてしまうと、後々後悔する結果となり得ます。特にローカル企業への依頼の際には、こうした見積もり書には現れない見えないコストにも注意を払うことが重要です。

結局は日系でもローカルでも、的確な指示を出せるか否かで、制作コストと完成度が決まる

日系なのかローカルなのかに限らず、依頼主から制作会社へのリクエストの出し方も、完成度を高めるためにはとても重要です。

たとえば「スタイリッシュ」「明るいイメージ」「シュッとした」というような、人によって捉え方が変わる抽象的な指示の出し方をした場合、デザイナーとの間でイメージのずれが生じる原因となります。そのことで修正による出戻りが多くなれば、お互いの時間がさらに奪われる結果となりかねません。

うまく言語化して的確な指示を出すことに加え、図解で示したり、参考になるウェブサイトを持ってきて「このサイトと同じフォントにしてほしい」など具体的な要望を出せれば、お互いの認識のズレが生じにくくなり、結果制作コストの削減にもつながるでしょう。

サイト制作を業者に依頼する際には、上記のことを理解しつつ、提示された見積もり価格を評価することをおすすめします。

ホームページは完成してからが勝負。売上を作れるウェブサイトを目指しましょう。

以上、ベトナムでホームページを制作する際に抑えるべきポイントや、制作コストを決定する要因について解説しました。さまざまな業者やフリーランスの方にホームページ制作の見積もりをお願いすることがあるかと思いますが、本記事で述べた内容を参考にしながら、価格を検討してみることをおすすめします。

また、ホームページは認知を拡大し、信頼を蓄積するために企業が持つべき重要なツールであり、さらにはSEO対策等を施すことで新規顧客の獲得に繋げることも可能です。長期的にアクセス数を伸ばすためにも、初期段階でのSEO戦略の策定やデザイン・コンテンツの詳細な検討が推奨されます。

VWCでは日本語およびベトナム語でのSEO対策もサポートしています。これまで数多くのメディア運営を支援してきた経験を生かし、企業様の中長期的なウェブ戦略を支援します。

もし、ベトナムでウェブマーケティング施策にお困りの際は、VWCまでお気軽にお問い合わせください。クライアント様と同じ目線に立ち、一緒に売上を上げられるよう精一杯サポートします。

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Written by Ryo Takabayashi

髙林凌(たかばやし りょう)。Vietnam Web Consulting / VWCジャパン創業者。早稲田大学商学部卒業後、楽天へ入社。楽天市場ECコンサルタントとして3年間勤務。海外起業を志し、単身でベトナムホーチミンへ渡越。ベトナムメディア「週刊ベッター」に海外転職し、ウェブメディアの立ち上げメンバーとして参画。累計600社以上の企業様の集客支援をし、営業・企画・ウェブ責任者として3年間従事。ベトナムでWEB集客を専門とするマーケターフリーランスとして独立後、2022年11月に同社を設立。